2015年11月29日日曜日

20151129 厳格な習慣

「天才たちの日課」という本は、とても面白いです。これは作家とか詩人とか、の日常の仕事のスケジュール、生活のリズムなどについて書いている本で、かなりの人が偏執狂的に、決まり切ったスケジュールで生活しようとしている。それがもっとも創造的な活動に結びつくからです。
で、わたしがこの本を気に入った理由は、実はわたしも、日々のスケジュールに関しては、ひどくこだわるからです。朝起きる時間とかは、別に何か用事があるわけではなくても、毎日同じでなくてはならない。ともかく型にはめることに異様にこだわります。
で、そのうち、この型に自分が拘束されて息苦しく感じる。しかし何か大きな理由付けがないと、この型を変えられない、
もっとも創造的な創作をする人は、日々の暮らしは、もっとも退屈で単調。これは基本的な事実だと思います。スティーブン・キングも、多作ですが、生活はただ書くだけしかしておらず、極端に単調な暮らしをしている。
で、ここに書いてある作家たちはみな外人なので、ともかくアルコールの量も半端でない人がいます。1日ワインを6本飲むとか。サルトルは薬漬け、ドラッグづけ、アルコールづけ、タバコ、コーヒー。あのサルトルの哲学はドラッグが生み出した成果なのか。確かに似ているんだけどね。

で、この本を読んで、あらためて、自分のスケジュールに、新しい型を作りたいと思いました。会社員は、会社に時間わりを決められてしまうので、自分向きのスケジュールパターンを作れない。
占星術は、円 環型時間システムなので、1日、1年、たとえば29年、84年、一生などが、みな同じ円構造になる。なので、1日のスケジュールの組み立ても、その人の特有のパターンが必要です。その背後に一生のスタイルがあり、さらには転生システムも反映されているからです。会社員生活は、画一的なスケジュールにされていくことで、それらを全部ぶち壊されます。これは例の夏井理論で、糖質生活、集団生活、ずっと働くこと、画一的な暮らしを強要されることなどの連鎖のひとつです。

マルセル・プルーストとか、サミュエル・ベケットなどは、極端な自閉症的生活をして、この中で創作をしていますが、スティーヴン・キングが言うように、昼の仕事は、起きた夢見で、その夢見がうまくいくことはいい小説ができること。これらはみな、あきらかに現世否定的です。窓の外を見ることはまったく無意味なのだから。ここにいながら、徹底して違う世界を夢見ている。ここに生きることに、どこかでノーと言い続けているとも言える。

つまり厳格なスケジュールで生活することは、この世界の変化、揺れ、などを拒否するためのガードみたいにも見えます。つまりは有機体を独立させるための土星作用だ。型を作ることで、世界が自分に及ぼす影響に対しての防波堤を作ろうとしている。状況にあわせて柔軟に変化させていくスケジュールを頑と受け付けないことで、この世界の中に、独立空間を作り出そうとしているわけですね。

ものを書いたりするのは、純粋に創作、発見などでは、だいたい2時間、あるいは3時間が限界で、1日にそれ以上続けようとしても頭は働かない。なので、もっと長く続けている時には、もう少し気を抜いた機械作業にシフトする。資料調べたり、内容チェックしたり、誤字脱字を直したり。
これは意識の緊張度の問題で、人間の身体は、これ以上は耐えきれないようにできている。なので、この本でも、だいたいみな2時間とか3時間とかしか書いてない。詩人となるともっとひどい。1日10分くらいの人もいる。ずっと会社員生活をしている人の中には、こういう意識の集中のピークみたいなものを体験していない人はたくさんいると思うので、2時間、3時間いじょう続けるとがたがたになるというのを理解できない人はたくさんいます。創造的集中というのは、身体が消耗しきってしまう。かなり多産の人でも、一日2時間以上は書かないという人はたくさんいる。

ともかくこの本は変人だらけで、面白いです。